投資に失敗はつきものです。しかし誰もが、自分だけは儲かると信じて始めます。つまり失敗例を知っておけば、危険を冒す可能性も下がると言えます。投資信託を購入した人は、どのようなことで後悔しているのでしょうか。
手数料が高く利益が目減りしてしまった
投資信託には、販売手数料と信託報酬、信託財産留保額という3つの手数料がかかります。信託財産留保額は中途解約により発生する手数料です。
そして販売手数料は販売会社、信託報酬はファンド運営会社に支払われます。3つを合計すると、0.2%から7%ほどの手数料が投資信託の購入には必要となるのです。
中でも販売手数料は購入先によって、0%から4%とかなりの差が生じます。大手金融機関や対面型の証券会社ほど、販売手数料は高くなる傾向にあります。
そのため販売手数料が高いことで、利益が目減りしたと後悔する投資家が後を絶ちません。
販売手数料3%の銀行で100万円ぶん申し込めば、買った時点で資産価値は97万円に目減りします。1000万円ぶん買うと、970万円と30万円も自動的に損をしているわけです。これは知識が足らず、何も考えずに購入した結果であり、しょうがないと反省するしかない失敗例です。
ネットバンクやネット証券から申し込みをすると、人件費がかかっていないこともあり、販売手数料の相場は大手金融機関の半分以下ほどだったりします。ネット専業の金融機関を利用すれば、販売手数料が極めて0%に近い投資信託も販売されていますので、対面だから安心と手数料を無視しないようにしてください。
基準価額が購入時を下回ってしまい売りに売れない
投資信託の購入で最も多い失敗例は、基準価額の下振れです。商品ごとに値段がつけられていますので、売却時の値段が購入時を下回っていれば、売却損が発生します。
分配金が優秀な投資信託であっても、保有期間が短くなるほど利回りから得られる恩恵は限定されてします。平均すると投資信託の年間利回りは5%から7%です。発展途上国の株式を投資対象とする商品なら10%を超えてきますが、基準価額の変動率にも注目しなければいけません。
年間利回り5%の投資信託を1,000円の時に1,000口、つまり100万円分、購入すると、1年間で5万円の分配金が得られます。ただし基準価額が1,000円から950円に値下がりすれば、資産価値は95万円となりますので、分配金を合わせてトントンとなります。
基準価額が900円まで下がっていると、分配金以上の損失が発生しているため、売却を躊躇してしまうでしょう。
投資信託はリスクが低いと言われており、マイホーム資金や教育資金を目的として購入する人が多いです。10年や20年と長期的に運用するつもりであれば、絶好の売り時が訪れるかもしれません。
しかし売却日が数年と短くなると、常に基準価額が購入時を下回っていることも考えられるのです。申し込みをする時には、手数料と買い時から商品を選定してください。