投資初心者の方のなかには「投資には税金がかからない」と思っている方もいます。確かに投資で利益が出ないと税金はかかりませんが、投資で利益が出ると税金も発生してきます。
それはもちろん投資信託も同じですので注意しましょう。
投資信託のタイプによって税金の利率が変わる
投資信託のタイプには「株式型」と「債券型」の2つに分類されますが、この2種類に関わる税金は全くの別物として扱われます。
簡単に説明すると、株式型の投資信託はキャピタルゲインとインカムゲインの利益のうち10%が税金としてかかり、債券型の投資信託はキャピタルゲインとインカムゲインの20%が税金としてかかります。
ただし投資には「損益通算」という1年間の投資から得られた全ての利益から、すべての損益を差し引いて、残った利益に対して税金をかける仕組みがあります。
【パターン①】
株式型の投資信託Aでは50万円の利益が出て、株式型の投資信託Bでは20万円の損失が出たとします。すると利益が出た50万円に税金がかかるのではなく
50万円 − 20万円 = 30万円
となり、トータル利益30万円に株式型の税金10%の課税がかかり
30万円 × 10% = 3万円
3万円の税金がかかるようになります。
【パターン②】
株式型の投資信託Cでは10万円の利益が出て、株式型の投資信託Dでは30万円の損失が出たとします。すると利益が出た10万円に税金がかかるのではなく
10万円 − 30万円 = −20万円
となり、トータルで20万円の損失をしているので課税されません。
ただしこれでは税金がかからなくても損をしていることになるので、こうならないようにしましょう。
それでは次は確定申告はどうしたら行なわなければならないのかお話しします。
税金が発生したら確定申告をしよう
投資で利益が20万円以上になった人で「一般口座」もしくは「特定口座で源泉徴収無し」を選んだ人は確定申告をしなくてはいけません。
逆に言えば利益が出ても、20万円未満だった場合は確定申告をしなくてもいいです。
また1年間で大きな損失を出した場合、最大3年間損失を繰り越しできるので、その場合は確定申告をしておいた方がいいです。
確定申告すれば損失も繰り越せる
損失を繰り越しできるとは、たとえば
投資1年目に40万円の損失を出してしまった時、1年目には税金がかかりませんが確定申告をしておきます。
そして2年目には40万円の利益を出したとします。すると確定申告をしていたおかげで損失を繰り越しすることが出来ます。
2年目の利益40万円 − 1年目の損失40万円 = 0円
となり課税対象の20万円以上の利益が出ていないということになり、税金は発生しません。
しかし1年目に確定申告をしていなかった場合は、損失を繰り越し出来ないので利益40万円に課税がかかり税金を支払わなければなりません。
さて、もしも投資信託で利益がでたら、確定申告をどうやってやればいいのでしょうか?いままで個人で仕事をしたことがない人の中には確定申告をしたことが人も多いと思います。そこで確定申告の方法を詳しく説明したいと思います。
確定申告する手順
確定申告を行なうためにはまず、どうやって確定申告をするか知らなければなりません。
確定申告の基本は以下の通りです。
申告をする期間・・・1月1日〜12月31日までの1年間のトータル利益を申告する。
確定申告を行なう期間・・・翌年の2月16日〜3月15日の間に行なう。※今が2015年の2月16日だとしたら2014年の1月1日〜12月31日までのもの
確定申告を行なう場所・・・住んでいる地域の税務署で行なう。ネットで国税庁のホームページで、自分の住んでいる地域の税務署を検索できる。
申告の仕方・・・税務署まで出向き、書面を提出する方法とインターネットで申告する方法がある。
書類を提出する場合とインターネットで確定申告する場合、順番に見ていきましょう。
書類で確定申告する場合
まず、確定申告書に投資信託の値上がり益(キャピタルゲイン)を「譲渡所得」の欄に、分配金(インカムゲイン)を「譲渡所得」または、「配当所得」の欄に記入します。
特定口座を開設した人であれば、値上がり益を「譲渡所得等の金額」に、分配金を「配当金の額」の欄に記載した年間報告書が届きますのでそれを見ながら記入してください。
一般口座を開設した人であれば、年間報告書は届きませんので取引した際に送られる「投資信託取引報告書」と「支払通知書」を見ながら自分で計算して記入します。
所得金を記入したら、他にも本業の給与所得や空所、社会保険料などを記入し「年間報告書」や「源泉徴収票」などの必要書類とともに税務署に提出します。
インターネットで確定申告する場合
インターネットで確定申告を提出する場合は事前の準備として、「電子申告対応」の確定申告用ソフト、認証用の住基カード、カードリーダーを準備します。
準備は確定申告をする直前ではなく、投資を始める時に行なうことをオススメします。
確定申告書を提出する場合は書類で提出する場合と同じように、特定口座を開設している人には年間報告書が届きます。年間報告書には数値が記載されていますので、確定申告用ソフトの確定申告しーとの所得欄に記入するだけです。
一般口座の場合は「投資信託取引報告書」と「支払通知書」の記録を見ながら自分で記入していく必要があります。
最後に記入が終わったら、データをネット経由で税務署に送り、そのほかの必要書類は別途、郵便で送付すれば完了です。
さて、これで投資信託についての税金のお話は終わりです。