投資を行う上で、リターン率を考えることはとても重要です。100万円で購入した株が、一ヶ月後に110万円の価値になっていたとすれば資産価値は110万円となっており、そのリターン率は10%という事になります。
投資信託のリターン率はおおむね5%程度とされていますが、中には10%や15%など高配当を獲得している投資家もいるのです。
リターン率とは、期間収益率や一定期間における騰落率を意味する言葉です。
リターン率の数値が高ければ、その投資信託の価値も高いということになります。購入する投資信託が決まらない時は、過去のデータからリターン率を見て判断しましょう。
目次
リターン率を計算して見比べる
リターン率には分配金や信託報酬分も含めて計算されており、分配金が出た場合は続けて再投資している前提で算出されます。
毎月配当を受け取っており、いかにも儲かっているような感覚になれる商品もありますが、総合してリターン率を計算してみるとほとんど儲かっていなかった、ということは投資信託ではよくありますので、リターン率に注意してみましょう。
インカムリターン・プライスリターン・トータルリターン
リターン率には、インカムリターンとプライスリターンの2種類と、それを合計したトータルリターンがあります。
インカムリターンとは分配金のリターンのことで、100万円の投資に対して1年間で5万円の分配金を受け取ったなら、インカムリターンは5%となります。
プライスリターンは基準価額の変動のリターンで、100万円ぶん買い付けた投資信託が、1年後に120万円の価値に上昇すれば、プライスリターンは20%です。
インカムリターンとプライスリターンを合計したものが、トータルリターンです。
どういう形の収益が欲しいかで見るリターンの数字が違う
トータルリターンだけを確認すれば、儲かっている投資信託なのかは分かります。
しかし、トータルリターンが10%の投資信託であっても、人によって良さの捉え方は違います。
例えば老後に毎月数万円の副収入が欲しい場合、インカムリターンが1%、プライスリターンが9%では、分配金にほとんど期待できないことになります。
価格の変動から利益を狙いたい人にとっては、プライスリターンが大きい方が嬉しいわけです。リターン率を上手に見るためには、目的に応じた視点が必要不可欠です。
投資信託のリターン率の平均数値はどのくらい?
投資信託におけるリターン率について平均数値はどのくらいになるでしょうか?平均を知る事で見えてくるものがあります。ここではリターン率を中心にお伝えしていきます。
投資信託のリターン率はおおむね5%程度とされていますが、中には10%や15%など高配当を獲得している投資家もいるのです。
これはリスクとリターンの関係で、リスクが高いほどリターンも高くなり、リスクが低いほどリターンは低くなります。
リターン率が高い!と思って飛びつくと、価格が下がったときの下落幅が大きいということがあるので注意しましょう。
リターン率は期間が重要
これから利用する投資信託の商品を選ぶ場合、リターン率はもちろん注目すべきポイントですが、可能な限り長い期間ほど重要となりますので、データの見方としてはそれも一つのポイントとなります。
投資信託は中期的、または長期的に続けるのが基本的な利用法なので、一ヶ月や半年間のリターン率が高いだけでは信用できる商品とはいえないのです。
投資信託では価格が上がったり下がったりを繰り返しているため、総合して下がっている商品は利用しないほうが良いでしょう。データの集計期間が長ければ長いほど信頼できるかどうかが判断できる情報となり、よい商品を判断する基準となります。
チャートからリターン率を簡単に探る方法
リターン率をシンプルな方法で知りたいのなら、投資信託ごとに設定されている基準価額に注目してください。
投資信託の名称をインターネット検索すれば、基準価額と一緒にチャート(グラフのようなやつです)が表示されます。
チャートとは値動きをグラフ化したもので、過去の運用成績がすぐに分かります。1年前の基準価額が12,000円、現在が15,000円なら、右肩上がりのグラフとなっているはずです。正確な数値は不明でも、1年間保有していればリターンがあったことになります。
右肩下がりのチャートを描いていれば、利益が発生していないため収益率はマイナスです。
右肩下がりのチャートの投資信託は運用成績が悪いい
他の商品よりも分配金が高かったとしても、チャートが右肩下がりの場合は投資元本から特別分配金(タコ足配当)が支払われているだけです。
運用損失を出している投資信託は投資家が離れていきやすく、口数減少に伴う繰り上げ償還リスクを抱えていますので避けなければいけません。
長期でチャートを見ることも大事
チャートの調査期間を長くするほど、各々の投資信託が有するリターン率も見えやすくなります。
1年だけでは、たまたま市場動向に左右されただけという可能性も考えられるからです。長い間、綺麗な右肩上がりのチャートを描いているなら、今から購入してもリターンに期待できるわけです。
そのため正確なリターン率を計算しなくても、チャートから投資妙味のある商品かどうかを判断できるでしょう。購入予定の投資信託が多いほど、取捨選択にかかる時間も省けます。