投資信託の購入が初めての人は、その仕組みに首を傾げてしまう場面が何度か訪れるでしょう。なぜなら売買手数料の他にも、信託財産留保額や投資信託信託報酬という費用を支払う必要があるからです。
特に投資信託信託報酬は、投資家にとって負担となる可能性が高いコストです。資産を増やすために投資信託を購入するのですから、きちんと手数料の内訳を理解してから始めるべきかを決めてください。
投資信託信託報酬とは
投資信託を保有している限り、ずっとかかる手数料のことです。運用手数料や管理手数料とも言われており、サービス代金と考えれば分かりやすいでしょう。支払先はファンドや販売会社、信託銀行となります。
投資家が直接お金を払い込むわけではありませんので、手間はかかりません。1日1回、自動的に基準価額から差し引かれています。
そもそも投資信託は中長期で運用する人が多い金融商品です。運用成績が好調であれば、基準価額も値上がりしていきます。
しかし、保有期間が長くなるほど投資信託信託報酬は投資家にとって負担となり得ます。仕組みが分かりやすいということで、売買手数料の高低から投資信託を選択する人も少なくないでしょう。
どれだけの信託報酬が発生するのかは、投資信託説明書又は目論見書に記載されています。信託報酬と書かれている説明書もあれば、運用管理費用という名称で年率が表示されている物もあります。説明書は投資家に対して必ず配布される資料ですので、負担金額については1度目を通しておくべきでしょう。
投資信託ごとの信託報酬の特徴
信託報酬の年率は一律ではありません。商品ごとで、その数値も全く違います。基本的に手間のかかっている投資信託ほど、信託報酬の利率は高くなっていきます。アクティブファンドのような指数以上の運用成績を目指している商品は、他と比べても高額になりがちです。なぜならファンドマネージャーを雇ったり、リサーチ費用にお金がかかるからです。
そのため、ベンチマーク以上の利益を目指さない公社債投信やインデックスファンドは、信託報酬の額が安く設定されています。投資信託に投資するファンド・オブ・ファンズの場合は、投資対象がアクティブファンドかどうかで信託報酬の利率がかなり変わってきます。
アクティブファンドが必ずしも投資家に利益をもたらしているかと言うと、決してそのような事はありません。インデックスファンドより、運用成績の悪いアクティブファンドも多く存在しているからです。
信託報酬が高いから儲けられるというわけではないため、販売手数料が安い、自分の目的を満たしてくれるといった条件を優先させましょう。